うがー
2002年11月16日深い森、闇の底
盲いた狼がうろつく
喉元に刺さった鏃から
黒く凝った血が落ちるのに
老いさらばえた狼は
気付きもせずに
白く濁った目を木々の向うへ向けて
さ迷い続けている
どこまで行くのか
狼よ
歩けども歩けども
懐かしい塒は、もう見つかるまい
群は遥か遠くへ行ってしまった
枝々から舞い落ちる葉は
もう胆汁の黄、血の赤
乾いた空気に鼻をやられ
毬に刺されて足を膿み
戦い、逃れ、また戦い
ひたすら狩人に追われ
年を取った獣
其れでも、忘れてしまった故郷へ
歩いて歩いて
己の死に気付きもせずに
盲いた狼がうろつく
喉元に刺さった鏃から
黒く凝った血が落ちるのに
老いさらばえた狼は
気付きもせずに
白く濁った目を木々の向うへ向けて
さ迷い続けている
どこまで行くのか
狼よ
歩けども歩けども
懐かしい塒は、もう見つかるまい
群は遥か遠くへ行ってしまった
枝々から舞い落ちる葉は
もう胆汁の黄、血の赤
乾いた空気に鼻をやられ
毬に刺されて足を膿み
戦い、逃れ、また戦い
ひたすら狩人に追われ
年を取った獣
其れでも、忘れてしまった故郷へ
歩いて歩いて
己の死に気付きもせずに
コメント