同性愛について 4

2003年2月11日
 性欲も恋愛も多大なエネルギーを必要とする。
 生活環境が過度に劣悪な社会で人口の増加が緩慢なのは、性的行動の一切がエネルギーの浪費として抑制される為だ。

 現代の人口爆発が、真の極貧国よりも、中国やインドのように経済が飢餓より一つ上にある状態、生存自体は可能である国に良く見られる事や、人口増加による北アフリカの砂漠化が、国連等の経済援助によって生存の最低条件が満たされた土地程却って著しいという事実は非常に興味深い。

 他方、紀元前千年期のレバント地方、肥沃なデルタから締め出されたシナイ砂漠の遊牧民にとって、劣悪な自然環境を生る為には、集団が生き残る為性的活動によるエネルギーの浪費を極力抑制し、特に子供を造らない同性愛を排除しただろうという推測にも注意を払うべきであろう。

 子孫しか一族の繁栄や自分の老後を保証してくれない状況で、産めよ増やせよに励むのは当然美徳とされるが、しかし、個人が生きていくのすら厳しい状況では、爛惰や背徳と呼ばれる浪費を慎むのも当然美徳となる。

 文化は必要から生まれる。
 では日本の武家社会にとっては、どうして同性愛文化が必要だったのか。一般的なのは、主従の繋がりを固めるのに性交渉を使ったという説で、事実当時の同性愛は基本的に、兄・弟、父・子的な年齢的役割分担、擬似家族としての構造を持っていた。
 中世の軍隊には女が存在しない以上、集団の規律を維持する為に同性のみで構成された新たな家族単位が必要とされたというのである。
 事実ならば、戦乱の収まった江戸期武家社会の同性愛文化が退潮していったのも頷ける。

 ここで初めに戻るとしよう。
 現代において、異性愛が同性愛を排除する形で文化の主流足りえているのは、どのような必要に拠るものであるかと。

(以下後日)

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