私は知っている。

2003年6月23日
日本人はある種のきわめて大きな不安を抱いていきている。

それは、一言でいえば没落だ。
富の源である「生産」が中国に、「権利」は米国に移りつつあり、流砂のように国内経済の足元が崩れていることがひとつの理由だ。

もっとも感受性の鈍い者でさえ、没落の始まりを自覚したのは2000年くらいだった気がする。

けれど本当は1980年代の中ごろから趨勢は気配としてあった。

一日一日をあくせくと生きる人間にはそんな風呂敷の大きな話に縁はないと思うかもしれない。

だが、この没落がはじめに直撃するのは、一番所得の低い層、職の安定していない層なのである。

年寄りのホームレスから、若年フリーターへ。

コンクリートのジャングルを織り成す都会のビル樹が、目には見えね軋みを立てて一本また一本と倒れていく時、蟻のようにそこから無数の失業者が吐き出される。

見えるだろうか。

見えるだろうか。

 日本の食料自給率は30%以下、農業は輸入自由化の荒波の中で衰退の一途をたどり、日本の通貨が国際的信用を失えば外国から食料を買うことすらできない。

 いや、わかっている。

 貧しさはさらに貧しい国でもっと酷く広がりつつあることは。

 格差はさらに開くことも。

 だが

 破滅はいつかやってくる。

 そう遠くない内に。

 これがわれわれ誰もが抱える黙示録

 心に落ちた不安の影の正体

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